予定が変わると崩れてしまう。それは特性?個性?一番乗りにこだわる子を理解するヒント
いつもは一番乗りなのに、ある日ギリギリの到着になったとたん大泣きしてしまった——「私が遅れたせいで」と胸が痛くなったことはありませんか?一番乗りにこだわる背景には、場所に先に慣れたい、全体を見ておきたいといった、子どもなりの安心の作り方が隠れていることがあります。その理由と、今日からできる3つの関わり方をお伝えします。
1. はじめに
習い事や園に行くとき、いつもは一番に着いて落ち着いて過ごしているのに、ある日、親の用事でギリギリの到着になってしまった。すると、子どもが大泣きして、動けなくなってしまった——そんなとき、「私が遅れたせいで、パニックにさせてしまったのかも」と、胸が痛くなる方も多いのではないでしょうか。
こんなお話を聞いたことがあります。その日、お迎えに行くと、先生から「その後はすぐ切り替えられていましたよ」と言われたそうです。そして、「いつも一番に来てるもんね」という何気ない一言で、一番乗りにこだわる理由に、ふと気づいたといいます。今回は、一番乗りにこだわる気持ちの背景と、関わり方についてお伝えします。
2. なぜ、一番乗りにこだわるのか
一番乗りにこだわる子の気持ちには、次のような理由が隠れていることがあります。
ひとつは、先に場所に慣れてから人に慣れたいという気持ちです。誰もいない静かな場所で、ゆっくり環境を確かめてから、あとから来る人たちを迎えたい。そう感じる子がいます。
もうひとつは、全体を見ておきたいという気持ちです。あとから入ると、すでに出来上がっている輪や流れの中に入っていくことになり、状況をつかむのに時間がかかります。最初から全体を見ていれば、安心して過ごしやすくなります。そして、見通しを持ちたいという気持ちです。「いつも一番に着いて、いつもの流れで始まる」ことは、その子にとって、次に何が起こるかが分かる安心の形になっています。これらは、多くのお子さんに当てはまりやすい傾向ですが、すべての子に共通するわけではありません。同じ行動でも、理由は一人ひとり異なります。本人の様子や言葉から、理由を探っていくことが大切です。
3. 特性か個性か、見極めるには?
一番乗りにこだわる、決まった流れを大切にする、といった様子は、真面目さやこだわりの強さとして現れることがあります。これが発達の特性なのか、その子の個性なのかは、きっぱり線を引くことが難しい部分です。目安になるのは、本人や家族が生活の中でどれくらい困っているかです。たとえば、予定が変わったときに長い時間立ち直れない、毎日の生活に大きな支障が出ている、本人がつらそうにしている、といった状態が続くなら、一度専門家に相談してみるのもひとつの方法です。一方で、気持ちが崩れても時間がたてば切り替えられるのであれば、その子らしさの範囲で受け止められることも多くあります。また、こだわりや真面目さは、物事に丁寧に取り組める、準備を大切にできるといった、その子の強みにもなります。
4. 安心につながる3つの関わり方
① 理由を決めつけず、気持ちを言葉にしてあげる
大人が理由を決めつけてしまうと、子どもの本当の気持ちとずれてしまうことがあります。「みんなが来る前に準備できると安心なんだね」「今日はいつもと違って、びっくりしたね」と、気持ちを言葉にして伝えてみましょう。気持ちを分かってもらえたと感じることが、落ち着くきっかけになります。
② 遅れる日は、事前に予告しておく
見通しが崩れることが、不安の大きな原因です。そのため、いつもと違う日は、前もって伝えておきましょう。「今日はママの用事があるから、いつもより少し遅くなるよ。〇〇をしたら行こうね」と、具体的に伝えると、心の準備ができます。
③ 「大丈夫だった」という経験を言葉で返す
実際に遅れてしまった日のあとは、「先生が、すぐ切り替えられてたって言ってたよ」と、できたことを言葉にして伝えてみましょう。「遅れても大丈夫だった」という経験が積み重なると、次に予定が変わったときの安心材料になります。
5. おわりに
予定が崩れる日は、どんなに気をつけていても出てきます。遅れてしまったことを、お母さんのせいにする必要はありません。そして、その出来事があったからこそ、お子さんの気持ちに気づけました。それは次に活かせる、大切な発見です。頑張りすぎなくて大丈夫ですよ。